遺伝子パネル検査の費用について

Q1 ゲノム遺伝子パネル検査は、どれくらい医療費(自己負担)がかかりますか? 開く 閉じる
自己負担(3割負担の場合、以下同)は16.8万円となります(2026年度診療報酬改定に基づく)。その内訳は、次のとおりです。
まず、病院で「がんゲノムプロファイリング検査」(保険点数:44,000点=医療費44万円)を受けます。この段階で、患者は13.2万円の自己負担が必要となります。
それから約1~2カ月後、その検査の結果と評価について病院側から説明を受けます。この段階で、「がんゲノムプロファイリング評価提供料」(保険点数:12,000点)としての医療費(12万円)が生じ、3.6万円の自己負担が必要になります。
なお、患者の年齢と所得によっては、高額療養費制度(後述)により自己負担が軽減されます。
遺伝子パネル検査の費用
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Q2 遺伝子パネル検査の医療費(自己負担分)は、いつ支払うのですか? 開く 閉じる
まず、病院で「がんゲノムプロファイリング検査」を受けた段階で、医療費の自己負担分を支払います。
同検査の結果が判明したら病院では専門家による会議(通称「エキスパートパネル」)を開き、その評価・判断をします。こうして患者側は同検査から約1~2カ月後に、その評価・判断についての説明を受けます。この段階で「がんゲノムプロファイリング評価提供料」としての医療費の自己負担分を支払います。
以上のように、医療費の支払いは2回に分かれます。

高額療養費制度について

Q1 遺伝子パネル検査には高額療養費制度が適用されますか? 開く 閉じる
遺伝子パネル検査については、患者さんの年齢・所得と1カ月間の医療費を基準として高額療養費制度の適用の可否が決まります。
それに関しては、遺伝子パネル検査の場合、実際の医療費の支払いは2回にわたり(前述)、その間隔は1~2カ月程度ある(前述)ということも留意しておく必要があります。すなわち、高額療養費制度は暦月(毎月1日~月末)を単位とするわけですが、遺伝子パネル検査の1回目の医療費の支払い、2回目の医療費の支払い、それぞれにおいて患者自身の自己負担上限額と比較し、高額療養費の適用について判定することになるのです。
Q2 高額療養費制度が適用された場合、自己負担はどれくらいになりますか? 開く 閉じる
高額療養費については暦月(毎月1日~月末)単位で計算します。通常、「がんゲノムプロファイリング検査」と「がんゲノムプロファイリング評価提供料」の支払にまでには1カ月程度の間隔があるので、それらの自己負担額を合算するのではなく、個別にみていきます。
例えば現行の高額療養費制度(2026年5月現在)では、69歳以下で年収が約370万円~約770万円の人の場合、ひと月の上限額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」と定められています。この数式の意味は、自己負担が80,100円を超えると、その超えた分の医療費の自己負担は1%でよい、というものです。
その規定により、「がんゲノムプロファイリング検査」については高額療養費が適用され、自己負担は81,830円となります。
「がんゲノムプロファイリング評価提供料」については翌月または翌々月に医療費を支払うことになりますが、これについては高額療養費の適用はありません。
なお、高額療養費制度については、2026年8月および2027年8月に改正が予定されています。
がんゲノムプロファイリング検査への高額医療費制度の適用
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Q3 高額療養費制度を利用するには、どのような手続きが必要ですか? 開く 閉じる
マイナ保険証を使用し、受診している医療機関が1箇所だけであれば、特別の手続きは必要ありません。すなわち、マイナ保険証による受付をすませれば、医療機関側に対して患者個人の自己負担限度額の情報提供に自動的に同意したことになり、医療機関窓口での医療費の請求は自己負担額までとなります。
マイナ保険証を保有しておらず、健保組合等から送られてきた「資格確認書」を使用する場合、その「資格確認書」に被保険者個人の自己負担限度額についての情報が記載されていれば、特別の手続きは必要ありません。その情報が記載されていない場合は、医療機関の窓口で、口頭で「高額療養費の限度額情報の提供に同意します」といった趣旨のことを伝えてください。これで通常、「限度額適用認定証」の提出は不要となります。どうしても「限度額適用認定証」が必要だと言われたら、自身が加入する健保組合等にその申請をしてください。
ちなみに、2025年10月から、総務省消防庁の主導で「マイナ救急」という取り組みが始まっています。これは、救急隊員が傷病者の同意の下、マイナ保険証を使って医療情報を閲覧し(傷病者が意識不明で生命や身体を保護する必要があれば同意なしで医療情報を閲覧し)、搬送先の病院とも情報を共有するという仕組みで、搬送中から適切な処置を受けられるのが大きなメリットです。それも踏まえて、マイナ保険証を持っていない人は、なるべく早く、マイナンバーカード(マイナ保険証)を申請しましょう。

小児慢性特定疾病医療費助成制度について

Q1 小児の場合も、遺伝子パネル検査の対象となるのですか? 開く 閉じる
はい。小児も、遺伝子パネル検査の対象となります。
ただし、実際に小児(医療分野では一般に15歳未満が「小児」、民法上は18歳未満が「未成年者」)に対して遺伝子パネル検査を行う場合には、親・家族等の同意が必要です。
その同意に関しては、国立がん研究センター・がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が医療関係者向けに「小児患者用(代諾者用)患者説明文書・同意書・意思変更申出書(モデル文書)」を公表しており、これが患者側においても参考になります。(URL別掲)
ちなみに、厚生労働省の第3回「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」(2026年3月26日開催)での資料1「小児がん拠点病院等について」によると、15歳未満のがん罹患数(年間において発症が確認された数)は2016年が2,144人、2023年が1,905人(同)というように減少傾向にありますが、この間、15歳未満の人口も減少しているため、同省では「罹患率は横ばいである」と分析しています。
Q2 小児の場合、医療費(自己負担)を軽減する制度には、どんなものがありますか? 開く 閉じる
代表的なのが、小児慢性特定疾病医療費助成制度です。
小児慢性特定疾病医療費助成制度でいうところの「小児慢性特定疾病」とは、(1)慢性に経過する、(2)生命を長期に脅かす、(3)症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる、(4)長期にわたって高額な医療費の負担が続く――という4つの要件全てを満たし、かつ厚生労働大臣が定める疾病で、原則として18歳未満の児童等が対象です。現時点(2026年4月現在)で、それは801疾病となっています。
小児慢性特定疾病医療費助成制度は、所得に基づき6階層に区分し、それぞれにおいて「一般」(「重症」でない状態)、「重症」(重症患者基準に適合するもの、あるいは高額な医療費が長期に継続する場合)、「人工呼吸器等装着者」に分けた上で、ひと月での自己負担上限額を定めています。また、患者自己負担割合は2割となります。
例えば、階層区分Ⅴ(年収約430万円~約850万円)で疾病が「一般」の場合、自己負担は2割で、ひと月の自己負担の上限は1万円となります。高額療養費制度での所得がほぼ同レベルの区分と比較すると、小児慢性特定疾病医療費助成制度のほうが自己負担が低く抑えられています。
実際に小児慢性特定疾病医療費助成制度を利用するには、まず、小児慢性特定疾病の指定医療機関を受診し、指定医に医療意見書を作成してもらい、その他必要書類と合わせて、都道府県等(居住しているのが指定都市、中核市、児童相談所設置市の場合はそれらの自治体)に申請し、認定審査を受けます。それにより認定されると受給者証が交付され、指定医療機関を受診をします。
小児慢性特定疾病医療費助成制度の自己負担上限額
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患者申出療養について

Q1 患者申出療養を希望する場合、誰に相談し、どこに申し出ればよいのですか? 開く 閉じる
まず、患者申出療養についての情報収集としては、厚生労働省の「患者申出療養」のホームページ(URL別掲)が参考になります。また、患者申出療養の情報収集と併せて少し相談もしたいのであれば、各都道府県にある「がん診療連携拠点病院」の「がん相談支援センター」に電話をするとよいでしょう。
すでに遺伝子パネル検査を終了し、その評価についての説明も受けているのであれば、これまでの主治医に相談してください。
患者申出療養としての患者側からの申し出は、臨床研究中核病院を通じて国に書類を提出するのが原則です。すでに患者申出療養として実施されている「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」、「遺伝子パネル検査結果等に基づく分子標的治療」に限れば直接的には、がんゲノム医療中核病院、あるいは厚生労働省の患者申出療養会議で協力医療機関として認められた病院に対して申請をします。また、実施の可否もそれらの病院のレベルで検討します。
その実施が認められたら、患者申出療養としての治療は、それらの病院において行われます。
なお、遺伝子パネル検査が関わる患者申出療養であっても、前例のない新しい内容のものであれば厚生労働省の患者申出療養評価会議で審議することになり、時間がかかる可能性があります。
Q2 患者申出療養の実施が認められた場合、自己負担はどれくらいになりますか? 開く 閉じる
さまざまなケースがあり一概にはいえませんが、あくまでも目安として、厚生労働省が第63回患者申出療養評価会議(2025年11月20日)で公表した「令和7年(令和6年7月1日~令和7年6月30日)の患者申出療養の費用」に基づいて試算をすると、次のようになります。
「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」は、(a)実施件数が151件、(b)総合計(総金額)が116,967,009円、(c)患者申出療養費用(薬剤費に相当、自費)の総額が41,537,158円。したがって、(d)保険外併用療養費(「保険外併用療養」として保険が適用される診療の費用)の総額は75,429,851円((b)-(c))となります。
それを1件当たりでみると、患者申出療養費用は275,081円((c)÷(a))。また、保険外併用療養費は499,535円((d)÷(a))で、これについて自己負担割合を3割とした場合、自己負担は149,861円となります。この保険外併用療養費の自己負担については、金額によっては高額療養費が適用されます。
以上より、あくまでも目安ですが、患者申出療養としての「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」での自己負担は、約42万4,940円(自費275,081円+3割負担149,861円)となります。
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