がんの原因と遺伝子遺伝子・ゲノムとは

がんは遺伝子の変化が原因で起こる病気です。
がんゲノム医療では、ゲノムの情報を調べて診断や治療に役立てます。このページでは、「遺伝子とはなにか」「ゲノムとの関係は」など、がんゲノム医療を理解するために知っておきたい基礎知識をお伝えします。
がんの原因と遺伝子

遺伝子とはなんですか?

「遺伝子」は私たちの体を作るために必要な設計図です。

私たちの体はたくさんの「細胞」から成り立っています。たとえば、筋肉は筋肉の細胞から、骨は骨の細胞からできています。血液や脳もすべて細胞です。
形も働きも異なるたくさんの細胞が互いに協調して働くには、正確な「設計図」が必要です。その設計図となるのが、「遺伝子」です。
体は遺伝子の情報にそって作られている
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遺伝子とDNAは同じもの?

遺伝子の本体となる物質がDNAです。遺伝子の情報にそってタンパク質が作られます。

DNA(デオキシリボ核酸)は、4種類の物質が長く連なってできています。この物質の並び順は、それぞれを構成する塩基の頭文字A、T、G、Cで表した「文字列」で表すことができます。この文字列のことを「塩基配列」といいます。遺伝子の情報は塩基配列によって決まり、その情報に従って体内で「タンパク質」が作られます。
タンパク質は細胞を作る材料になります。また、細胞の中で直接働いているのも、遺伝子ではなくタンパク質が中心です。遺伝子を設計図とすると、タンパク質はその設計図によって作られる「材料」や「道具」ということができます。正しい時期に正しい場所で、正しいタンパク質が作られることで、私たちの体は成り立っているのです。
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「ゲノム」とは?

「DNAの文字列に表された遺伝情報すべて」をゲノムといいます。
ゲノムの中でも「タンパク質」の設計図の部分が「遺伝子」です。

ゲノムとは「DNAの文字列に表された遺伝情報すべて」のことです。ヒトゲノムのDNAの文字列(塩基)は32億文字列(塩基対)にもなります。
この32億文字列のうち、タンパク質の設計図の部分を「遺伝子」とよんでいます。ヒトゲノムには約23,000個の遺伝子が含まれています。
体の中ではタンパク質がいろいろな働きをしています。そのため、もし遺伝子に変化が起こると、正しいタンパク質が作られず、体の働きを大きく損ねたり、病気の原因になったりすることがあります。
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